


キキョウ科ヒナキキョウ属花期5~8月

今朝の散歩でみつけたのはヒナキキョウソウだよ
梅雨空の下、芝の中にひっそり咲く姿が控えめで
あまり目立たないけど、近づいて観てみると
ほんとにかわいい花なんだ。
名前の由来は、キキョウソウという花に似ていて
より小型で繊細な印象から「雛」を付けて
ヒナキキョウソウになったんだ。
原産国は北アメリカで、1931年に横浜で初めて
採取された記録が残っているんだって。

♬ 赤い靴~はいてた~女の子~ ♬
♬ 異人さんに~つれられて~行っちゃった~ ♬
大変だよ!横浜の埠頭から連れ去られたよっ!
古畑警部に連絡しなくっちゃ!

横浜と聞いて野口雨情の「赤い靴」だね、歌詞の
意味が違うし、古畑任三郎はフィクションだし…
ヒナキキョウソウとキキョウソウの見分け方は
キキョウソウの葉は、茎を抱く様につくけど
ヒナキキョウソウの葉は茎を抱かないし
葉の形も卵型で細長い特徴があるよ。
花の付き方にも違いがあって、キキョウソウは
葉の付け根ごとに複数の花が咲くけど
ヒナキキョウソウは茎の最上部にひとつだけ
花を咲かせることが多いんだ。
これらの違いで、見分けようね。

そんな華奢な印象からは想像できない繁殖戦略を
ヒナキキョウソウは武器にしているんだ。
キキョウ科に属する花の多くは雄性先熟で
花が咲いた時に、先ず雄シベが成熟して花粉を出し
その後に雌しべが成熟して受粉するんだ。
ヒナキキョウソウの最上部の花は、開放花といって
この雄性先熟の花で、虫達によって花粉が運ばれ
他の花の花粉を受粉する事により遺伝子の多様性を
保っているんだよ。
この開放花より下のつぼみは全て閉鎖花といって
花弁を開くことはなく、つぼみのままその内部で
自家受粉を行うんだ、これにより確実に種子を
つくることができるんだ。
こうして両方の花で、複雑な環境下でも
種子をつくり、繁殖を可能にする戦略なんだね。
意識しないと見過ごしてしまいそうなほど
質素な花が、こんな技で生存競争に負けない様
頑張っていることに、なんだか感動しちゃうよ。

ほな、ボクも能登産高級ヤガラの一夜干しを
腹一杯食べて、生存競争に打ち勝つぞっと