ナス科チョウセンアサガオ属
今日はペンペンと一緒に守谷市野鳥のみち近くの
斜面でみつけたシロバナチョウセンアサガオの
お話をするよ、みつけた時はびっくりしたよ
こんなところに秘かに咲いているなんて…
昼の間は花が閉じているから見落としたのかなぁ
夜になるとアサガオみたいな漏斗状の花が咲いて
周りの闇とのコントラストが何とも妖艶…
標準和名はシロバナチョウセンアサガオで
別名がシロバナヨウシュチョウセンアサガオだよ
日本の植物学の父である牧野富太郎が命名
名前にあるチョウセンとは特定地域の事ではなく
単純に海外から来たという意味なんだ
原産国は北アメリカで日本へは明治初期に
薬用植物として渡来、野生化しているよ
昼と夜じゃ雰囲気が全然
違うよなぁ~
特にあの斜面は真っ暗やし
蕾は10㎝近くあるな
先端の突起が独特やわ…
蕾がいっぱいあったよ
全部咲いたら迫力ありそう…
シロバナチョウセンアサガオの果実(蒴果)は
卵型で鋭く長い棘や短い棘に覆われていて
クルミ程の大きさなんだ、成熟すると灰色になり
4片に裂開して、中には黒い種子(3㎜程)が
幾つも入っていて半径1m~3m位の範囲に
弾け飛ぶんだよ、こうして勢力を広げるんだね
シロバナチョウセンアサガオは全草毒で
誤食すると死亡する恐れがあるんだよ
中毒症状としては、せん妄(意識混濁・脅迫的な
思考・幻覚・錯覚がみられる状態)高熱・散瞳
異常な行動が数日間も続くんだ…怖っ
解毒剤として、フィゾクチグミン(カラバル豆の
アルカロイド これも猛毒)があるんだって
ヒンドゥー教のシバ神はダチュラの煙を吸う事が
知られているよ、ダチュラとはチョウセンアサガオ
の事なんだ、北アメリカの先住民族も宗教的な
儀式にチョウセンアサガオを用いるよ
宗教的な儀式って聞くと怖い…
幻覚って…ヘビがいっぱい
這ってきたら…
ダメ絶対っ!人間やめますか?
薬物根絶のキャッチコピーは関係ないし…
アメリカでは jimson weed と呼ばれ
1676年に起きたベイコン反乱を鎮圧するため
イギリス人部隊が派遣されたんだけれど、猛毒とは
知らずシロバナチョウセンアサガオの若芽を集めて
サラダを作って食べてしまい数日間異常行動を
とったんだ、ある者は全裸で猿になりきり
ある者は兵士達にキスをしまくり、彼等は
明るく陽気に糞尿の上を転げまわったんだ
この状態が11日間続き、正気を取り戻した彼等は
その間の記憶が全く無かったんだって…臭っ
江戸時代の医師 花岡青洲が全身麻酔で乳がんの
手術を行った時に用いた麻酔薬「通仙散」は
チョウセンアサガオを主としたセンキュウ・トウキ
ヨロイグサ・カラスビシャク・マムシグサ
トリカブトを調合したものなんだ
身近な事故例として、自宅菜園で危険とは知らず
チョウセンアサガオを台木としてナスの接ぎ木を
行い収穫したナスをスパゲティに調理した
夫婦が食中毒を起こしたんだ
台木からチョウセンアサガオの有毒成分が
ナスへと移ったんだね
チョウセンアサガオは根をゴボウ、蕾をオクラ
葉をモロヘイヤ・アシタバ、種子をゴマと間違える
事故が絶えないからシロバナチョウセンアサガオ
同様注意が必要だね。
誤食だけじゃなく、素手で触るのも危険だからね
ちいさなお手てでシロバナチョウセンアサガオの
花をちぎって、汁がついたことが分からずに
眼を擦ったりしたら失明の危険性があるから
周りの大人は注意してあげてください
今回はボクもみつけてびっくりしたよ
みんなも知らない植物は一度よく調べてから
対応してね、猛毒の花がシレッと咲いている事が
普通にあったりするからね
じゃあみんな散歩に行こうか~
みつけた場所 守谷市野鳥のみち周辺