ウリ科 カラスウリ属花期7~9月
今年の秋は急に訪れた感じがするよ
風が心地よくなった外で勉強会だね
今日は、カラスウリについてお話しするよ
カラスウリの名の由来は、赤く熟した果実が
烏が突いた後の様に見えるから等、諸説あるんだ
地方独特の呼び名も多数あり、ヤブキュウリ
チョウジウリ・クマズサ・キツネノマクラ等々
周りが枯れた林の中に、カラスウリの果実が
朱色で目立つから、いろんな呼び名が
生まれたのかもしれないね。
オニギリ博士~ツクシも見たことあるよ
赤い実が幾つもぶら下がっていたよ。
夜のお散歩でお花を見たら、白いフニャフニャが
伸びていて、なんだか不思議なお花だよ。
カラスウリは雌雄異株、日没後に咲く花は
花弁の先から白いレースの様に広がり
夜の闇とのコントラストが相俟って妖艶な姿だね
花の中心を観察すると、雌花は雌蕊が3つに
分かれているよ、カラスウリの花は茎から
長く伸びているんだけど(萼筒)
その付け根辺りがぷくっと膨らんでいるのが雌花
一部例外もあるけれど葉腋から複数の花が
伸びていると雄花だね、雄花は開花後数日間は
咲き続けるけど、雌花は開花した翌朝には
枯れてしまう一夜花、尚更、神秘的なんだよね
カラスウリのポリネーター(花粉媒介者)は
夜行性で大型の蛾の仲間 スズメガだよ
カラスウリの花は長い筒状だから、スズメガの様な
長い口吻(口先が前方に突出する)じゃないと
奥の蜜まで届かないんだ、唯一味わう事が出来る
スズメガが結果的にポリネーターとなるよ。
カラスウリの花が闇の中でも凄く目立つレースの花
なのはスズメガを誘惑していたんだね
カラスウリの果実は5~7㎝の楕円形や円形で
光沢のある緑色から熟すとオレンジや朱色になり
果肉は黄色で黒褐色の種子が包まれているよ
種子の形が「打ち出の小槌」に似ているから
財布にそっと入れておくとお金が貯まるんだって
赤く熟した果実の果汁は肌荒れの改善効果が
期待できるよ、化粧水の成分になるんだって
民間療法としてカラスウリの太い根から
採取した澱粉は天花粉(ベビーパウダー)として
利用でき、九州地方の一部地域ではリウマチの
薬として用いられるんだって。
まだ熟していない緑の頃の果実は独特の苦みがあり
それが堪らないと酒の肴にする酒豪もいるよ
赤く熟せばジャムの材料にもなっちゃう
意外と利用できるんだね
またジャムの材料になるんや、そんなこと言ったら
ママさんが、またジャムを作るで…
「ポテト味見して~」って絶対言うし
スプーンにジャムのっけて追っかけまわすし!
カラスウリのジャム食ってる猫見たことあるか?!
見たこと無いし、見たくない…
夏につるを伸ばしたカラスウリは、秋の頃になると
地面に向かって伸びて行き接地したところから
根っこを出して塊根を形成し栄養繁殖する
だから一度繁殖しだすと根絶が難しくなるんだ
カラスウリの話で外せないのがミスジミバエの話
ミスジミバエの雌はカラスウリの雄花に
産卵して、孵化した幼虫は同じ雄花に
他のミスジミバエが産卵して遅れて孵化した
幼虫を大顎が鋭く鈎状に発達した突起で
刺して殺害し、その雄花を食料として独占する
生きる術なんだけど、なんとも壮絶…
今回ちょっと長くなったけれど、もしよかったら
陽が沈むころにレースの花を観察してね
これから帰りの会を始めま~す
♪ まっかだな まっかだな ♪
♪ からすうりって まっかだな ♪
(童謡 まっかな秋 薩摩忠作詞 小林秀雄作曲)
♪ せんせいさようなら みなさんさようなら ♪
みつけた場所 守谷市常磐自動車道守谷SA周辺