


ナデシコ科ノミノツヅリ属花期3~6月

散歩の途中で、滅茶苦茶ちっちゃいお花を
みつけたよ、ノミノツヅリというお花だ。
和名は「蚤の綴り」となり、ちいさな葉が
蚤の着る質素な着物に見えるからだって。
原産国はユーラシア大陸、日本では北海道から
沖縄まで広く分布しているよ。
白く可憐な花は3㎜程と、ほんとにちいさいから
この時期、いろんな場所に繁殖しているのに
気付かない事が多いよね。
でも、注意して観察すると、その慎ましやかで
美しい花に感動するよ、スマホのカメラや
携帯用ルーペで観てみてね。

オニギリ博士~これとよく似たお花を
田んぼの近くで見たよ。
確か、花弁が10枚だったような…

それは、ノミノフスマだね、よく似ているけど
ノミノツヅリの花弁は5弁なのに対して
ノミノフスマは花弁の中央が根本近くまで
2裂しているから10弁の様に見えるんだ。
この特徴は、ノミノフスマがハコベ属の花だと
いう事を示しているんだよ。
因みに、フスマとは掛け布団のことだよ。

余談だけど、蚤と言えば「蚤のサーカス」だね
「蚤のサーカス」はパリが発祥の地
かのルイ14世も見学したんだって。
机の上に画用紙を敷いたのが舞台で、日本へは
1930年に福岡で興行を行ったのが初
その後、中国人率いる一座が1936年に来日
東京で開催された工芸博覧会で興行したんだよ。
その芸は、蚤にちいさな道具を取り付けて
(この首輪を取り付ける技は高度な職人技)
車を引かせたり、ジャンプさせたりして
観客を驚かせたんだって。
この一連の技の仕組みは、掛け声と共に吹き付ける
二酸化炭素に反応した反射行動なんだ。
これらの芸に対する蚤のお手当は、日に二回
団長の血を吸わせてもらう事だって…
なんだかその姿を想像すると笑っちゃうよね。
蚤たちは、普段「蚤のホテル」と呼ばれる
ちいさな木箱で過ごしているんだけど
高さが低い空間で過ごす事により
その高さより高く飛ばなくなるから
管理しやすくなるんだって、考えてるな…
「蚤のホテル」から呼ばれては出て行き
芸が終わると、掛け声と共に戻る様に
調教されていたんだ。
主に使われていたのは大型の「ヒトノミ」で
後にDDTの普及により数が激減、入手困難になった
事もあり、時代と共に廃れていったんだよ。
ここで蚤の名誉挽回、蚤は芸をする唯一の
無脊椎動物と言われているよ、賢いんだね。