


キツネノマゴ科キツネノマゴ属花期8~10月

今朝の散歩でみつけたのは、キツネノマゴだよ
名前の由来は諸説あって、はっきり解らないけど
花穂が狐の尻尾に似ているという説や
花の形が、狐の顔に見えるという説
ちいさくて可憐な花を「孫」に例えたとする説など
色々とあるみたいなんだ。
キツネノマゴの花には、唇型の花弁があって
下唇にあたる花弁には、星形の白い模様があり
蜜がここにあることを虫達に知らせるんだ
この模様の事を「蜜標」というんだよ。

そうやってお知らせすれば
虫達も迷子にならなくって助かるね

そうなんだ、だからキツネノマゴは昆虫の力を
借りて受粉する虫媒花ということだね。
ミツバチ・ハナアブ・ハキリバチや
青く美しい「幸せを呼ぶ青い蜂」として知られる
ナミルリモンハナバチなどが訪れるよ。

でもね、ナミルリモンハナバチには別の顔があって
スジボソフトハナバチの巣に侵入して
スジボソフトハナバチの幼虫を噛み殺し
自分の卵をこっそり産みつけて、自分の子供だけが
育つ環境を整えるんだ。
そうとは知らず、スジボソフトハナバチは
せっせと蜜や花粉を運んで他人の子供を育てる…
これをナミルリモンハナバチの労働寄生というんだ

えぇ…なんで気ィつかんのや?
ありえへんやろ…

それは、スジボソフトハナバチは地中に単独で
巣をつくるため外敵の侵入に気付きにくく
ナミルリモンハナバチは体格や色合いが似ていて
寄主にとって違和感が少ないみたいなんだ。
巣穴の奥で産卵、餌の貯蔵をするんだけど
その隙を狙ってナミルリモンハナバチは
侵入してくる。くわえて寄主が餌を蓄えた直後や
巣を閉じる前に侵入するから、寄主が確認する
暇がないんだな。構造・擬態・タイミングと
すべてが洗練されたナミルリモンハナバチの
労働寄生、これは進化の過程で
「自分で巣をつくるより、ヤツのつくった巣を
頂いた方が効率的じゃね?」と判断された
結果と言えるんだ。
托卵の名手カッコウやナミルリモンハナバチなど
寄主の努力と寄生者の策略が交差するドラマを
キツネノゴマは、そっと観ているのかも
しれないね。