


ミツカシワ科アサザ属花期5~9月

今朝は、沼の周りを散歩したよ。
黄色くてかわいいアサザがいっぱい咲いていたんだ
名前の由来は「浅いところに生える草」から
転じたという説や「朝に咲く花」からついたとする
説があって諸説紛々なんだ。
アサザの花は縁がレース状の鮮やかな黄色で
よく晴れた朝にだけ咲く一日花だから
午後には閉じてしまうんだよ。

だから、この前、夕方頃に近くを散歩しても
アサザの花に気が付かなかったんだ
あんなに沼の一角を覆う様に広がっているのにね

アサザは、波が発生するような湖は苦手で
池や沼、水路など比較的静かな水面が大好きだよ
繁殖の仕方もクローン繁殖と種子繁殖があって
クローン繁殖は、地下茎(走出枝)が水底を
這う様に伸びて、節から新しい株が生まれたり
切れて漂流した切れ藻からも新しい株が育つよ
特徴的なのが種子繁殖で「異型花柱性」という
特殊な花の構造がアサザにはあって
長花柱花(雌しべが長く雄しべが短い)
短花柱花(雌しべが短く雄しべが長い)
という異なる花同士でしか受粉できないため
両方の花が揃ってないと種子ができないんだよ

1996年まで霞ヶ浦が唯一の両花型が揃って
正常な種子繁殖が可能だったんだけど
2000年までの4年間で発芽量が激減
種子繁殖は、ほぼ消滅してしまったんだ。
でもね、1995年霞ヶ浦の環境再生を目指して
「アサザプロジェクト」という市民団体による
公共事業がスタート、絶滅の危機に瀕していた
アサザを守る事をきっかけに、地域の人々が
立ち上がり、学校・企業・行政・研究機関が
連携する広域ネットワーク型の取り組みに
発展したんだよ。凄いね。
残念ながら、未だアサザの復活には至ってないけど
現在も続く、この活動に明るい未来を感じるね。

アサザ!?アサダ?アサダと言えば浅田哲也やね
浅田哲也といえば「麻雀放浪記」やで
1969年から1972年にかけて連載された麻雀小説
戦後のドヤ街を舞台に、主人公「坊や哲」が
麻雀を通じて生き抜く姿を描いたピカレスクロマン
登場人物の「ドサ健」や「出目徳」など
個性の塊のようなキャラが繰り広げる勝負は
麻雀知らんでも痺れるで
1984年に公開された映画は、主演 真田広之
鹿賀 健 大竹しのぶ 高品 格(めっちゃ渋い)
豪華なキャストやし是非とも観て欲しい一本や

今回は、凄いところに連想したね…
でも、アサザが消えゆく湖畔と、坊や哲の放浪する
人生が、どこか通じるものを感じるかもね…
どちらも「定着しないものの美しさ」を
描いているようで…。