カラスムギ(烏麦)

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イネ科カラスムギ属花期6~8月

教室からカラスムギについてお話しするよ
名前の由来は「人が食べない麦」という意味で
付いた名前だと言われているけど
実が黒い事から「クロシ(黒い)」が転じて
「カラス」になったとする説もあって
正確な事は分からないんだ。
原産国はヨーロッパから西アジア、日本へは
有史以前の時代に伝わったとされ縄文時代や
それ以前に存在した可能性がある史前帰化植物だよ

料理好きなママさんが言っていたんやけど
カラスムギってオーツ麦のことやね?

流石!ママさん、カラスムギはオーツ麦の野生種だよ
欧米等では、カラスムギは栽培作物として
発展して、主に朝食でオートミールやグラノーラ
ミューズリーに加工されて食べられているよね。
健康効果も高く、コレステロール値の低下
血糖値の安定、腸内環境の改善、心臓病の予防等
ポテトのパパさんぐらいの年代が抱えている問題に
効果が期待できるよ。
一般的にオーツ麦はグルテンフリーとされるけど
加工過程で他の穀物と混ざる事があるため
完全なグルテンフリーではない場合があるんだ。
因みにオーツ麦は日本語名称だと「燕麦」という
呼び名で飼料用として栽培されているよ。

日本でカラスムギが食糧として発展しなかった理由は
いくつか考えられるんだけど
日本では古くから稲や大麦等が主要な穀物として
栽培されていた為、これらの作物が食文化に
深く根付いていてカラスムギが入り込む余地が
無かったというのが大きな理由かな。
それと、大切な収穫の問題として、カラスムギは
脱粒性が高く、熟した種子が自然と落ちてしまうため
他の穀物と比べて収穫が少なく、安定した生産が
難しいんだ、これには頭抱えちゃうよね。

カラスムギって実を剝くのが大変そうだよ
食べようと思っても、簡単にはペロっと剝けないね

そうなんだ、カラスムギの実を剝くのは
手間が掛かるんだよ。
でもね、カラスムギの種子は驚きの生存戦略を
実行するんだ。
カラスムギの種子には「芒(ノギ)」という
細長い突起があって「芒」は乾燥するとねじれ
湿ると元に戻るという性質を持っていて
1:乾燥時、芒はねじれた状態になり地面に
  落ちると不規則な向きで転がる
2:雨や朝露等で湿ると芒のねじれが戻り
  回転運動が起こる
3:この回転運動により、種子が地面に潜って
  発芽に適した位置へ移動する
この現象は、植物の巧妙な生存戦略の一例として
注目されているんだって。
実際に観察すると、ウネウネと動く姿が
なんとも不思議なんだよな~
こんなカラスムギも日本で栽培作物として
発展していたら、日本の食文化に多少なりとも
影響を及ぼしていたかもしれないね。


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