アセビ(馬酔木)

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ツツジ科アセビ属花期2~5月

以前、筑波実験植物園でお散歩した時に
ちいさくて純白のお花が印象的だった
アセビのお話をするわ
アセビのお花は、他の花も少ない2月の頃から
咲き始めるから早春の代表的な存在なの
アセビは、漢字表記だと「馬酔木」となり
大型の動物である馬でもアセビの葉や花を食べると
アセビの毒成分であるアセボトキシンの影響で
体が痺れてしまい、酔った様になることから
アセビの漢字表記が「馬酔木」となったんだって

酔っ払った馬なんて見たこと無いし
一度、アセビで酔っ払った姿を
見てみたいもんやわ

それはダメダメ、決して気持ち良く酔っている
訳ではなくて、大量に誤食すると呼吸困難になって
危険な状態になる可能性があるから絶対ダメ
昔から庭木や生け花の花材として
親しまれてきたけど、取り扱いには注意が必要よ

アセビにはアセボトキシンという毒成分が
全草に含まれていてヒョウモンエダシャクという
蛾の仲間はアセビの葉を食べてアセボトキシンを
体に取り込み、捕食しようとする鳥等の天敵から
身を守る防衛手段として機能するのよ
これらの行為は「科学的防御」と言うの
アセビは、このアセボトキシンのおかげで
草食系の動物から食い荒らされることがない為
アセビだけが残ったり、アセボトキシンが
土壌に影響して他の植物が育ちにくくなる事も
考えられるわ

純白の釣鐘みたいな形で、かわいいお花だけど
結構、凄い戦略を持っているお花なんだ…
聞けば聞くほどイメージが…

それ程、自然界で種を残す事は大変という訳ね
アセビは、学名 Pieris Japonica なんだけど
Pierisと言えばマケドニア地方ピエリアの王である
ピエリス王の9人の娘達のお話をしなくっちゃ
ピエリス王の9人の娘達は、自分達の芸術的才能を
誇りに思い、芸術と学問の女神であるムーサイ
(9人の女神)に詩や音楽の戦いを挑んだの
だけど、9人の娘達の過信や傲慢さが祟り
ムーサイ達に敗北し、全員罰としてカササギに
変えられたわ、カササギは黒と白のコントラストが
美しく、翼と尾は群青色に輝く賢い鳥だけど
ギーギーと煩く泣き、物を盗むとされる鳥なの
ムーサイ達は、娘達のその高慢な態度と軽率な
挑戦を戒める意味で彼女達をカササギに変えたのね
ムーサイはゼウスとムネモシュネの娘で
芸術・音楽・詩・歴史・舞踏の分野に
インスピレーションを与える存在なのね
ムーサイ達に挑戦すること自体が冒涜と言えるのよ
何時の時代も、傲慢さや自己過信は良い結果を
導いてはくれないものなの…学びましょ…


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