


バラ科サクラ属花期1~3月

今の季節に、お散歩していたら何処からともなく
上品な香りが漂って来て春が近い事を
教えてくれる、そんなウメのお話をするわ
原産国は中国中部で落葉広葉樹の仲間
日本へは、遣唐使によって持ち込まれたんだって
最初の頃は、薬木として扱われていたんだけど
奈良時代から庭木として親しまれ、江戸時代には
梅の実の改良が盛んに行われていたの
昔から人との関わりが深いウメは異名も多くて
「風待草」「春告草」「香栄木」「初名草」等
どれも梅の特徴を捉えた素晴らしい名前よね

週末にママさんとパパさんが家飲みの会をすると
パパさんは焼酎をサンガリアの炭酸で割って
梅干しを入れて、潰しながら飲んでるわ
「梅を入れると幾らでも飲めるから超危険」だって
ママさんは実家から送って来た年代物の梅酒を
ペリエで割って飲んでるわ
「やっぱり年代物の梅酒はフランスの天然炭酸水
ペリエが一番合うわ」とか言いながらね
この前、そっと二人の横にある炭酸のボトルを
交換したけど、気付かずに飲んでたわ…

ほんっとにポテト君たら悪戯好きね…
梅の英語名は Japanese plum
梅の花は plum blossom
因みに、梅干しは umeboshi で通用するのよ
日本語が、そのまま通じるのも楽しいわね

「梅は咲いたか 桜はまだかいな」
江戸時代に花街で生まれた有名な端唄
梅や桜が咲く時期になると、一度は小声で口ずさむ
そんな方も多いんじゃないかしら
季節の移ろいを小粋に歌っている様に思うけど
じつは、移り気な恋心を表現していて
「梅は咲いたか」は今の恋人はどうしている?
「桜はまだかいな」は新しい彼女を求めているの
複雑な人間模様がある花街で直線的な表現ではなく
婉曲した表現を用いて小粋に振舞うのね
また、別の捉え方としては
梅の花が咲く事が、過去の経験や成長を示し
桜の開花を待つ事が、未来への希望と期待を
示しているとも解釈できるの
季節の変化や人生の転機を優雅に表現しているなんて
そう考えると、少し素敵な気分で口ずさむわ

梅に鶯 鶯ゃ春告げ鳥
初音きかせて 花を誉め
咲いた咲いたや 梅の花

ポテちゃんったら素敵な端唄を知っているのね
「梅に鶯」ね、古くから愛された端唄よ
学問の神様といわれる菅原道真も梅の花を愛したわ
東風吹けば
にほいおこせよ
梅の花
あるじなしとて
春を忘るな
菅原道真が大宰府に左遷された際、大切にしていた
庭の梅の木に対して詠んだ歌よ、藤原時平に
はめられて結局戻ることが叶わなかったけど
後に、学問の神様として祀られるようになったわ
梅の花は、厳しい冬を耐え抜いて、早春に花を
咲かせることから、忍耐や希望の象徴として
日本人に愛され続ける存在なのね