ヤツデ(八手)

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ウコギ科ヤツデ属花期11~12月

この時期に白い花を咲かせるヤツデの話だよ
和名のヤツデは、葉の切れ込んだ形からだね
別名はテングノハウチワ(天狗の羽団扇)
分布地域は本州・四国・九州・沖縄
主に暖かい地域に広く分布しているんだ
一日の内、半日が影になるような場所を
好む常緑低木で、湿り気があって有機質が
多い肥沃な環境がヤツデにとっては理想的
夏場の強烈な西日が当たる場所は
避けた方が良いね

角のたばこ屋は古い日本家屋で
裏庭の便所の窓の下に咲いてるわ
迷犬レモンがキャンキャン吠えて
追っかけてくるのが楽しいんや~

あそこの家は今でも汲み取り式のトイレかな
かつて多くのトイレが汲み取り式だった頃は
ヤツデの葉の毒性分をウジ虫の殺虫剤として
利用していたんだって、だから裏庭の
トイレの近くによくヤツデが植えられていたんだ
そんな頃の名残かもしれないね

ヤツデの花期は秋も深まる11月~12月
花が少ない時期に小さな白い花が
集まって咲く姿はかわいいよね
花後の果実は、最初は白い果実だけど
緑になって、やがて翌春には黒く熟すよ
挿し木で増やす事も出来るけど
黒く熟した果実の中には種があるから
それを蒔けばいいんだよ

ヤツデの花は昭和の頃の漫画に出ていた
宇宙人のヘルメットみたいだよ
ヘルメットからアンテナ5本出てるよ
ピピッ~ピピッ~

あれは、アンテナじゃなくって雄しべだよ
ヤツデは雌雄同株の花なんだけど
開花した時は花弁と雄しべがある雄花なんだ
花粉を運んでもらうために蜜も出すよ
この状態を雄性期というんだ
やがて花弁と雄しべが散ると蜜も出なくなり
柱頭が伸びてきて雌花となり中心部には
雌しべが伸びて、再び蜜が出てくる
これは、虫達に他の花の花粉を運んでもらって
受粉するためなんだ
この雄花と雌花が咲く時期をずらす仕組みは
同じ花同士で受粉を繰り返すと抵抗力が
弱い種になってしまう事を避けるためだね
でね、最後は雄性期で終わるんだ
自然は一切の無駄を省く様になっているんだね
ちょっと感動的だね
最後に、ヤツデの利用法として
ヤツデの葉をよく洗って天日乾燥した後
入浴剤として使うとリュウマチや神経痛に
効果が期待できるんだって
今の時期、あったかいお風呂で試したくなるよね


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