クンクンすると、クラックラ
🐾 いつものように塀の上でまどろんでいると
どこからともなく強烈なにおいが…
ボクたちにとって鼻は大切な商売道具
慌ててその場から離れたんだけど、なんだか
そのにおいが道みたいに繋がっているというか
どこから来て、どこへ進んだのかが解るって事に
気が付いたんだ、そこで思い出したのが
この前、ポテトのお家のママさんが言っていた
「電車の中で、強烈な臭いがして
頭がクラクラしちゃって、倒れそうになった」って
言ってたんだ、犯人は柔軟剤なんだって。
だから、今回はその時のママさんから聞いた
「香害」についてお話しするよ。
🧴 「香害」てね、香水や柔軟剤、合成洗剤
消臭剤などに含まれる合成香料によって
頭痛・めまい・呼吸器症状などの健康被害が
出ることを「香害」と呼ぶんだよ。
日本では2004年前後に研究者や支援者が集まる場で
「香料の自粛」を呼びかける動きがあって
これが日本での香害アドボカシー(弱い立場にある
子供や高齢者、障害者などの権利を守り、彼らの
意見や要望を表明、擁護し社会に働きかける
活動や運動)の初期とされているんだよ。
そして2008年頃に柔軟仕上げ剤のマイクロカプセル
製法が普及して、香りが長続きする製品が
一気に市場で広まり、この製法による被害報告が
出始めたんだって。2010年代には「香害をなくす
連絡会」等の市民団体が、アンケート調査や
ポスターによる問題提起を行い香害は”21世紀型の
空気公害”として研究・議論されるようになったよ。
🧪マイクロカプセル技術ってどんな技術かって
疑問が湧いてくるよね、ザックリ言うと
柔軟剤などに使われる香料は、マイクロカプセルの
中に閉じ込められていて、衣類の摩擦などで
少しずつ破れて香りが長時間放出される仕組みなんだ
じゃあ何が問題かと言うと、そのカプセルの
壁材にはメラミン樹脂やウレタン樹脂等が使われ
発がん性や神経毒性が指摘されているから。
おまけに内部の香料には揮発性有機化合物VOCや
合成ムスク等の内分泌かく乱物質(環境ホルモン)が
含まれていることがあるんだ。
これらの微細なカプセルは、気管支から肺胞まで
到達してアレルギーやその他の健康被害の
誘因となる可能性が指摘されているよ。
よく報告されている健康被害としては頭痛・吐き気
くしゃみ・めまい・鼻水・呼吸困難・倦怠感
胃腸障害まで多岐にわたるんだ、辛そう…
📚「香害をなくす連絡会」が2020年に行った
約9,000人規模のアンケートでは、約7,000人が
香害被害を感じ、うち約2割が学校や職場に
行けなくなった、仕事を休んだ、失ったと
回答しているんだって、原因製品の1位は柔軟剤
2位は香りの付いた合成洗剤だったよ。
特に小さな子供にとっては既に深刻な問題と
なっているんだ…。
保育の現場では、我が子に柔軟剤で強烈なにおいを
付けた服を着せて登園させたり、お昼寝の時間に
使うタオルケットが柔軟剤でプンプンにおうなんて
事があるんだけど、0~1歳児「ニコニコしてるから
問題ない」じゃあないんだよ。
赤ちゃんはまだ言葉で訴えられないし、不調や
体調不良を”笑顔でごまかす”ことすらある。
でもね、実際には呼吸器が未発達・皮膚バリアが
弱い・体重当たりの吸入量が多い・化学物質の
代謝能力が低い…。だから影響を受けやすいのは
むしろ赤ちゃん、マイクロカプセルは微細で
衣類から空気中に舞い、呼吸と一緒に吸い込まれる
赤ちゃんはイヤだよ~とは言えないし
この部屋ヤバくね?なんて訴えないもんね。
保育園は”密閉空間”で長時間滞在する事が多い
香り付き衣料が集合すると濃度が上がっちゃう
こうなると、保育士も頭痛・倦怠感・呼吸器症状を
訴える方が多いんだって、でもね、言い出しにくい
それは、企業が「香りの強い柔軟剤=高級」という
巧みなマーケティングでつくり上げたイメージ戦略
有名女優を起用して幸せ一杯なCMの影響が生活の
中に浸透して、ママが使っちゃうから…。
⛔こうなると、海外はどうなっているか気になるね
規制が最も進んでいるのはヨーロッパ、EUでは
マイクロプラスチック規制(REACH)が強化され
分解されないマイクロカプセルが規制対象に
含まれそうなんだ、特に化粧品・香料分野では
”カプセル化された香料”が規制対象に含まれる
可能性が高いんだって、EUは香りの強さよりも
「マイクロカプセル=マイクロプラスチック問題」
として動いているのが特徴なんだ。
アメリカは日本より規制が緩いんだけど
化学物質過敏症(MCS)への理解は日本より
進んでいるから、職場・病院・大学では
”Fragrance-free(無香料)”が増加、P&Gや
他社の香り強化製品への批判がSNSで活発
「Scent pollution(香り公害)」という言葉が
使われるようになったんだって。
そしてカナダ、既に多くの病院や学校・行政施設で
”無香料ポリシー(Fragrance-free policy)が一般化
これは香害対策というよりアレルギー・喘息
化学物質過敏症(MCS)への配慮として制度化
された形なんだって、さすがだね。
📖じゃあ日本ではどうするべきなのか…だよね
カナダやアメリカの多くの学校・病院・行政機関では
Fragrance-free policyが普通に導入されていて
〇「香りの強い柔軟剤・洗剤の使用禁止」
〇「香水・ヘアースプレー禁止」
〇「香り付き製品を使用したら登校・出勤を控える」
これらのルールを”健康配慮”として受け入れる
でも、日本では未だに「神経質」「個人の自由」と
扱われてしまう事もある…。
でもね、こんな最新データがあるんだよ。
全国調査では、未就学児を含めた全体で8.3%が
香害による体調不良を経験。
小学校低学年で6.8%
小学校高学年で11.2%
中学生で12.9%
これって、10人に1人以上が実害を受けているレベル
高校や大学では全国的な大規模調査がまだ少ないけど
化学物質過敏症の発症年齢が10代後半から20代に
増える傾向があるから、実際には小中学生と同等か
それ以上の被害が出ている可能性が高いと
推測されているんだって。
この数字、もう個人の好みとか、個人の自由とか…
そんな悠長なことを言っている段階じゃなくって
国が対応しなくちゃいけない緊急事態!
🐾ここまで読んでくれたあなたに伝えたい
10人に1人が体調を崩し、保育園や学校で
何も言えないまま苦しんでいる子がいる。
でもね、社会っていきなり国が変えてくれる
訳じゃないんだ、カナダの無香料ポリシーだって
最初は小さな学校や病院が「ここだけは香りを
控えてください」とお願いしたことから始まった
その積み重ねが、やがて制度になったんだよ。
日本でも同じことができそうじゃない?
今日、あなたが柔軟剤を少し控えること
職場で「香りが苦手な人もいる」と一言添えること
保育園や学校で、子供の体調を守るため
相談してみること、そんな小さな行動が
誰かの呼吸を守り、ゆっくりと”空気”を変えていく
社会は、すぐには変わらない。
でも、変わらないからってボクたちが黙って
耐える理由にはならないんじゃないかな?
今日の選択が、未来の常識をつくるかも
そして、その未来は今よりもずっと子供達や
おとなにも、そしてボクたち猫にも優しい世界。
そんな世界を想像しながら
今日もまた、塀の上で箱座りしているよ。
さて、これで「香害ってどんな奴?」はお仕舞
次回は「選挙ってどうなん?」のお話し
人間界は、選挙でああだこうだ状態みたいだけど
いまいちボクたちも解りにくいから
特別ゲストをお招きしてお送りするよ(笑)
もしこの記事が心に触れたら
コーヒー一杯の応援を頂けたら嬉しいニャ(笑)
