🐾 三つの戦略で向かうところ敵なしさ 🪴



マメ科ヤブマメ属花期9~10月

今朝の散歩でみつけたのは、ヤブマメだよ
名前の由来は、そのものずばり藪の中に絡みついて
生えてる姿が名前そのものだね。
別名で「ツチマメ」とも呼ばれるんだけど
地中にも豆果をつけるからなんだ。
ヤブマメの花は、通常9月下旬頃から咲き始め
マメ科特有の蝶形花で、青紫色がほんと美しいよ
ツルマメよりも咲く時期が少し遅れるから
見分けやすいかもね。
そんなヤブマメの花は3種類もあるんだ
地上の開放花(普通に咲く花)は虫たちが
美味しい蜜を貰って、受粉に協力するよ。
地上の閉鎖花(咲かない花)は地上の茎や
匍匐する蔓にできて自家受粉するんだ。
地下にも閉鎖花があって、地中に伸びた茎の先に
できて自家受粉により球形の実をつけるよ。
3種の花が地上・地表・地下でそれぞれ違う
繁殖戦略なんて、三つの戦略で向かうところ
敵なしだね。

さやえんどうみたいな実が生るんだよ
どんな味がするのかな?
土の中にも、実ができるんだ
掘り掘りして食べたら美味しいかな?

そうなんだ、さやえんどうに似た豆果で
細長くって平たい形、ひとつの莢に3~5個入ってる
熟すと莢がねじれて中の種子を数メートルも
弾き飛ばして勢力範囲を広げるよ。
でもね、苦くって食用には向かないんだって。
地下にできる実は、丸くふっくらした形で
複数の節から伸びた茎の先端に実るんだ。
地中で育った実は翌春の芽生えに備えているんだね
そんなヤブマメの地下にできる実は
アイヌの人々にとって古くから食糧として
大切にされていて、北海道西部では「アハ」
東部では「エハ」と呼ばれ、お米と一緒に炊いて
食べるんだって。
お米と一緒に炊いたものはチサッスィエプと呼ばれ
儀式にも使われたんだ。
ひと冬を地中で越した豆は、甘さが増して
美味しいらしいよ。

地上では、弾き飛ばした種子で勢力拡大
地下では、新たに得た土地で繁栄するため
豆果を育てるなんて、見た目はかわいいお花だけど
なかなかの戦略家だね。